【開催レポート】第18回エンゲージメント研究会β なぜ、あのテーマパークでは強烈な個性を活かしたチーム作りができるのか? ~個性を測る104個の質問とパーソナリティ分析~

第18回JEA研究会の開催報告をさせていただきます。(読了時間:3分)

今回はテーマパークコンサルタントとして、遊園地やテーマパークのコンサルティングをしながら、多業種の経営コンサルやチームビルディング支援、または講演・企業研修の講師として活動している清水群様に登壇していただきました。

◆講師のプロフィールはこちらから
https://www.engagement.or.jp/seminar21

今回のセミナーのテーマは、「テーマパークでのチーム作りからエンゲージメントを考える」です。参加者のみなさんはあの誰でも1度は行ったことがあるであろう、夢の国でのチーム作りを聞くため、ワクワクした気持ちで研究会がスタートしました。

目指すべきは不一致団結⁈

まず、2019年の流行語大賞にもなった『ONE TEAM』からチーム作りについて考えました。日本における『ONE TEAM』というと、昔ながらのみんな一緒という空気感があり、なかなか個性を活かせていない現状がありますが、テーマパークのような個性豊かなスタッフが多くいる場合には、みんな一緒というわけにはいかないので、遊園地型のチーム作りでは『お互いの個性がある。そもそも不一致だけど、団結しよう!』と考えるとのことです。

遊園地やテーマパークでなく、企業でもこのチーム作りについては同じことがいえるため、あの海外大手テーマパークでも行っている遊園地型チーム作りの手法を応用し、人の個性を「気質の違い」「人格の違い」「コミュニケーションの取り方の違い」の3つの視点から、いくつかのパターンに分類しました。
それぞれの特徴について以下に説明しています。

1.気質の違い(DNAレベル)
アメリカの医師であり心理学者でもあったW.H.シェルドンの発生的類型論を基にした分類を、さらにわかりやすく、遊園地・テーマパーク感を出すために、気質の違いを以下の3つに分けました。
頭脳緊張型:魔法使いタイプ(理論型)
内臓緊張型:妖精タイプ(感覚型)
身体緊張型:ドラゴンタイプ(行動型)

さらに、この3つのタイプを細分化するため、スイスの心理学者であったC.G.ユングのタイプ論を加えた2つの性格的特徴に分類しました。
五感型⇔直感型 ⇒ 左利き⇔右利き
外向型⇔内向型 ⇒ 大人⇔子ども

3つの気質のの違いに、2つの性格的特徴を加え、人の気質をより詳しく12のタイプの気質に分類していきます。
例)
魔法使いタイプ×左利き×大人
ドラゴンタイプ×左利き×大人

この気質に良し悪しなく、それぞれを理解してコミュニケーションをとることが大事であり、またチームメンバーを構成する際の基準にするのが良いそうです。

仕事への向き不向きもわかるため、適材適所に配置することも可能になるとのことでした。研究会の中では清水講師からそれぞれのタイプの相性について具体例を用いながら説明をしていただきました。

2.人格の違い(人生の環境によって形成)
人格を知るために50個の質問に答え、その結果によって5つの人格的要素に分類します。

【5つの人格的要素】
・厳しさ…間違ったことを批判したくなる度合い
・やさしさ…お世話したくなる度合い
・論理性…冷静に物事を見る度合い
・明るさ…開放的で自由気ままな度合い
・従順さ…相手に合わせるべきと思う度合い

自分の気質はDNAレベルで決まるので変えることが難しいですが、人格は環境によって変えることも可能だそうです。また、5つの点数がそれぞれ高い人同士を集めると良いチームになると言われているとのことです。

3.コミュニケーションの取り方の違い(人によってストレスの感じ方が違う)
ここでいうコミュニケーションの取り方とは、人によってストレスの感じ方が違うため、そのタイプを知っておけば自分で対処できたり、相手に合わせてコミュニケーションを取ることもできるようになるとのことです。

24個の質問から以下の6つに分類します。
イライラ型…自分でやった方が早いと仕事を任せられない
ムカムカ型…笑われたり、バカにされると冗談でもムキになりがち
ヘトヘト型…完璧主義な一面があり、求められる以上のことをやろうと頑張りすぎる
モンモン型…明確な理由はないが、将来に対して漠然とした不安を持ちがち
オドオド型…仕事の確認が慎重過ぎて、遅いと思われがち
クヨクヨ型…失敗するとなかなか立ち直れない

分類されたそれそれのタイプの傾向とその対処法について説明していただきました。例えばイライラ型には「自分でやった方が早いと仕事を任せられない」という傾向があるため、「たまにはゆっくりやってみようよ」「急いでも結果は変わらないよ」といった言葉を自分に投げかけると良いなど、ストレスタイプを知ることによる、コミュニケーションの取り方について学ばせていただきました。

これらの3つの視点からの個性を把握し、参加者の皆さんでブレイクアウトルームに分かれていただき、今回の研究会の感想やチーム作りについてのコメントをいただきました。

・改めて自分とは違うタイプの人がいることを認識するいい機会になりました。
・魔法使い、妖精、ドラゴンの分類が面白かった。職場のメンバーでやってみたい。
・このタイプ分類を会社で行ったときにどうすれば良いかの具体的にもっと知りたい。
・個性を生かしてチームを作るには、深いメンバー理解が大事だと知った。

おわりに

最後に清水さんから、『お互いを理解し、承認し、繋げる、これが出来ると強いチームになれる』との言葉で研究会を締めくくっていただきました。

今回の研究会では参加者の皆さんに、3つの視点で個性を把握するための104個の質問と個別の分析結果を提供させていただきましたので、自分の新たな一面に気づくことができた方もいたようです。早速チームメンバーに受けさせたいという方もいて、学びの多い研究会になったのではないでしょうか?

今回のレポートは以上となります。今後も第一線で活躍している様々な講師をお呼びして研究会を開催していきます。次回をお楽しみに!

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