【開催レポート】第14回エンゲージメント研究会 船川淳志が小屋一雄に聞く「なぜ今、大林監督なのか?」

第14回JEA研究会の開催報告をさせていただきます。
今回は代表理事の小屋や、故大林宜彦監督との生前の対談記録を元に、顧問の船川との対談形式にてセッションを行いました。

なぜいま大林監督なのか?

まず小屋が大林監督と対談に至ったのは、大林監督の著書【最後の講義】を拝読し、『大林監督に会ってみたい』と思ったことからお手紙を綴ったそうです。
大林監督の作品について詳しくない参加者のためにも、小屋から代表作品である、【HOUSE】【なごり雪】【花筐】の内容や撮影エピソード、また大林監督の生い立ちなどについて話されました。
そこでは、大林監督が敗戦少年であったこと、その壮絶な人生経験から、映画で未来を作っていきたいという強烈な想いを持っていたことが語られ、参加者の皆さんは大林監督と大林映画へどんどんと引き込まれていきました。

大林監督との対談エピソード

研究会では、小屋から大林監督との対談のきっかけとなったお手紙を読み上げ、その強い想いと大林監督が受け取ったときのやり取りを話されました。
実際に対談された時のエピソードには、『黒沢監督に教わったいい写真の撮り方』『なごり雪の謎』『ロックバンドとしての大林組』などがありましたが、その話の一つひとつから、大林監督の魅力的な人柄や相手の人間味を引き出して付き合う『大林ワールド』を感じさせてくれました。

ビジネス・ゲルニカとは?

大林監督は、闘病をしながらも、先輩の黒澤明監督からの言葉もあり、400年後に戦争が無くなる未来を見て映画を作っている、と本気で話していたそうです。
ピカソが描いた《ゲルニカ》は長い年月を経て反戦のシンボルとなり、ジャマイカのボブ・マーリーは音楽で戦争を止めた、といった例を上げるとともに『芸術のジャーナリズムは未来まで風化されずに人々の心に残る』という大林監督の言葉から、大林監督が実現しようとしていた《シネマ・ゲルニカ》について話していただきました。

そこで小屋から、『私たちはビジネスで《ビジネス・ゲルニカ》がおこせるか?』について、参加者同士でセッションを行いました。

私たちは未来のためになにができるのだろうか?

《ビジネス・ゲルニカ》について考えるため、ブレイクアウトルームに分かれてディスカッションを行いました。各ブレイクアウトルームではどんな話がされたのか、内容を抜粋しておきます。

・ビジネスでゲルニカまで考えるのかと感心した
・相互理解や共感など、ビジネスすること自体が戦争にならない取り組みになるはず
・SDGsやCSRなどが、戦争を止める取り組みになるはず
・ビジネスで技術革新が起こり、みんなが豊かになればそれを共有し戦争は無くなる
・生きることにこだわり、ライフエンゲージメントを高めることそのものがビジネスゲルニカ

など、議論は活性化し、正解のない回答を探しながら終了時間となってしまいましたが、全員がまだまだ話し足りないといった状況でした。
最後に小屋から『どうしたら世界をより良いものにしていけるのかみんなで考えてみましょう』と、永遠の課題ともいえるお題を出され、参加者の皆さんが心地よいモヤモヤ感を持った状態で会は終了しました。

おわりに

大林監督の魅力的な人柄のエピソードから、ビジネスで戦争を無くすといった壮大なテーマでセッションが行われ、非常に学びのある会となりました。研究会では小屋の豊かな感性にみなさんが引き込まれていきました。

 JEA研究会αでは、このようなテーマを取り上げていきますので、またぜひ楽しみにしていただければ幸いです。第3期もより一層盛り上げていきたいと思いますので引き続きよろしくお願いします。

以上となります。次回の研究会も楽しみにして下さい!

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