【開催レポート】第15回エンゲージメント研究会β ダイバーシティを活かすためのアンコンシャス・バイアス リセット

第15回JEA研究会の開催報告をさせていただきます。
今回は代表理事の小屋がアンコンシャス・バイアスをテーマに、改めてその意味や問題、そしてアンコンシャス・バイアスを乗り越えた先にあるエンゲージメントについてお話させていただきました。

人によっては『いまさら?』と思われるかもしれないこのテーマに対し、見事に私たちがエンゲージメントを高めるためのヒントが得られる講演でした。

講演の様子をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧下さい。(読了時間:3分)

 

アンコンシャス・バイアスとは何か?

まず、アンコンシャス・バイアスについてですが『無意識のバイアス:自分自身が気付いていない捉え方のゆがみや偏り』と説明されます。いま人事や教育関連のセミナーではこのアンコンシャス・バイアスを取り上げることが多く、小屋自身も研修として依頼を受けることが多いようです。アンコンシャス・バイアス自体は昔からあったにもかかわらず、なぜいまバズワード化するほどに注目されているのか、その理由について参加者同士でディスカッションしました。

ディスカッションで交わされた意見をいくつかピックアップします。

・多様化が進んでいる、あるいは進めていく中で偏見というものに気づきやすくなった
・シンプルで当たり前のことでもあるけど、組織においては大きなイシューになっている
・ハラスメントなどに世の中が注目されている、多様性を作る世界においては必要
といったコメントが集まりました。

バイアスは誰でも持っているものですが、性別や年代、障がいなど社会で働いていく上での問題、そして人を傷つけてしまうハラスメント、こういったことに企業の関心が高くなったことで、今アンコンシャス・バイアスは注目されています。

特にダイバーシティを活かすためにはアンコンシャス・バイアスに気づくことが、活用の第一歩と言われています。

ダイバーシティには表層と深層の2種類があると小屋は説明しました。例えば性別や人種や障がいは表層に該当します。それだけではなく、深層としては性格や発想、考え方といったことも、見えないけれども、アンコンシャス・バイアスの対象になります。

アンコンシャス・バイアスはダイバーシティだけではなく、クリエイティビティも阻害する

研究会では、「知覚力を磨く(神田房江著)」から引用した、『古代ギリシャ時代から受け継がれている「知覚・思考・実行」プロセス』を基に、アンコンシャス・バイアスについて話し合いました。

紹介したのは2つの事例です。1つはピカソとドラクロワの2つの「アルジェの女たち」、もう1つは日経新聞で紹介されたワンピースの色を当てるクイズです。「アルジェの女たちは」は、絵の構図について詳しい人が見れば同じ絵に見えるし、そうでない人が見れば違う絵に見えるということ、ワンピースの色は見る人によって違う色に見えるけれども、どちらの見え方も正しいということを説明しました。小屋がこの2つの事例で何を伝えたかったかというと、両方とも認知バイアスがかかっているということでした。

アンコンシャス・バイアスが企業にもたらす問題

小屋はアンコンシャス・バイアスが起こると、企業でイノベーションが起きないと主張します。
イノベーションとは、これまでの自分の常識を部分的に捨て、異なる知識や価値観との出会いで革新を起こすことです。自分でイノベーションを起こしたいと思ったら自分と違う人と意見を交換することでしかイノベーションは起こせないし、そのためにダイバーシティが重要とのことです。
アンコンシャス・バイアスはダイバーシティを進めるという点で非常に重要なことですが、それ以上にイノベーションを起こす覚悟をすることが大事であり、その覚悟こそが、これからの企業の生き残りを分けるのではないかと参加者に問いかけました。

アンコンシャス・バイアスから自由になるためには、どうすればいいのか?

アンコンシャス・バイアスから自由になるには「何か変だな、を大切にする」など、4つの方法があると紹介しました。もう少し具体的に自分のバイアスを知るための方法として、「他者に興味を持って、複数の「ものさし」をつかって立体的に見る」ことなど3つの方法も紹介しました。
そして当協会でも何度か紹介をしているストレングス・ファインダー(※ストレングス・ファインダーについて詳しく知りたい方はご連絡ください)も自分がどんなバイアスを持っているかの良い指標になると説明しました。

おわりに

小屋は最後に「結局はその人の内面、その人の持っている素晴らしいものに興味を持ってコミュニケーションを続けることでダイバーシティの促進やアンコンシャス・バイアスの弊害として起こるパフォーマンスが上がらない状況の打破などにもプラスの影響が働くと思います」と伝え、研究会は終了しました。

次回の研究会もお楽しみに!

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